1-4.遺産相続で土地を相続する

遺産相続で土地・建物、いわゆる不動産を相続することが多いので土地に関する問題を整理してみましょう。

(1)遺産相続で土地を共有する

・土地の上に建物があって処分できない または ・仲の良い兄弟2人が平等に相続する

このような理由で土地を共有する場合がありますが、相続した当事者が生きている限りは問題は起こりません。その後『土地を処分する』と一人が決めても、「共有している土地を売却するには、共有している全員の同意が必要」で、もう一人が亡くなっていると、その相続人(配偶者・子供達)は複数になり全員の同意を得るのは困難になります。何代もの世代を得て「土地を売却しよう」としても、相続人は正にネズミ算式に増加しており、全員の同意を得るのは至難の技になります。

(2)遺産相続の土地の評価額

不動産屋で売買する価格が一番高く、固定資産税の基準価格が一番低い。その間に公示価格や路線価があり、 土地の評価はどれを基準とするかで大きく変わります。

税務署が評価する価格は『路線価』と呼ばれインターネットで調べることができます。都市部なら詳細な地図と評価基準額が掲載されていることがあり、地図のない地域は、固定資産税の評価額から計算する「倍率表」が掲載されているので、誰でも計算できます。但し、複雑な形状の土地など、特殊なものは専門家の手を借りる方が正確です。

(3)遺産相続の土地の税金

遺産相続で土地を取得した場合、相続税の対象となりますが、基礎控除(一定の金額以下)以内の金額であれば、課税されません。現金や不動産すべての合計金額が(3千万円+600万円×相続人数以下)なら税金を申告し、払う必要がありません。

土地を金額換算するときは上記(2)の評価額を使います。

(4)遺産相続の土地の名義変更

遺産相続で土地を相続してそのまま―という人は結構多いようです。

固定資産税は市町村の重要な財源なので、土地の所有者が死亡したらその相続人を調べて固定資産税の通知を該当者に届けます。市町村にとっては、税金を支払ってもらう必要があるからです。名義変更の手続きをしていないのに、固定資産税の通知が届くので、土地を相続した人は「自分が所有者だ」と思い込む場合があります。 しかし第三者に所有権を主張するためには『登記』が絶対に必要です。登記で所有者を変更して初めて名義変更が完了するのです。

(5)遺産相続の土地を代償分割

遺産相続で土地を相続した場合

①そのまま利用す

②土地を売却して相続人で山分けする

③一人の相続人が土地全部を相続し、他の相続人にお金を支払う

以上の3つの方法がありますが、※死亡した人の名義のままでは土地を売却できません

そのため、一旦相続人の一人の名義に変更してから売却します。遺言書がなければ「遺産分割協議書」を作成して手続きを明確にしておかなければなりません。

遺産相続で土地を相続し、名義変更する手続きは

①亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得する

②相続人全員の戸籍謄本・住民票・印鑑登録証を取得する

③遺産分割協議書を作成して相続人全員に押印してもらう

④所有者変更の登記をする

以上のことが必要で、①~③は頑張れば自分でもできて費用を節約できますが、手間と時間がかかり、 ④は個人の力ではちょっと難しい。

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